P.2 音楽って何だろう?
一噌幸弘

音楽とは、至高の言葉。

一噌幸弘 能楽師
東京都練馬区出身。安土桃山時代より続く能楽一噌流笛方、故一噌幸政の長男として9歳の時に「鞍馬天狗」で初舞台。以後、「道成寺」「翁」等数々の大曲を披く。
能楽師として能楽古典の第一線で活躍する一方、篠笛、自ら考案した田楽笛、リコーダー、角笛など和洋各種の笛のもつ可能性をひろげるべく演奏・作曲活動を行う。
能楽、自作曲、そしてクラシックの古典まで様々な楽曲をレパートリーに、1991年より自身の新しい解釈によるコンサート「ヲヒヤリ」、2012年より「能楽堂へ行こう」を主宰。能楽堂をはじめとする伝統的建造物や数々のホールにおいて、能楽古典や自作曲、西洋クラシック、ジャズ、即興等を、村治佳織、セシル・テイラーをはじめとする内外の様々な音楽家、交響楽団と競演し、他に類をみない和洋融合の音曲世界を創造している。
また、2004年NHK紅白歌合戦では藤あや子と「雪荒野」で共演、石川さゆりと2012年NHK歌謡コンサート「天城越え」、2017年うたコン「飢餓海峡」で共演、編曲を手掛ける。2005年「邦楽維新Collaboration」ではデーモン閣下と、「言の葉コンサート」では数年にわたり江守徹と共演。歌手や俳優、舞踊家等、各界のアーティストとジャンルを超えた競演、メディアへの自作曲の提供など、その活躍はまさに縦横無尽。近年の公演では、デーモン閣下をナビゲーターに迎えた「幽玄悪魔」、超絶技巧ユニット「超絶音楽の生まれる瞬間!」、能管プログレッシヴ・ヘヴィ・ジャズ・ロックのバンド「返シドメ」のリーダーを務めるなど幅広い音楽活動を展開。
ソリストとして参加した2011年読売日本交響楽団(指揮:下野竜也)との共演は第24回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門コンサート・パフォーマンスに選ばれており、また卓越した技量により新たな音楽の可能性を意欲的に切り開いてきた取り組みに対して、日本文化藝術財団より第二回「創造する伝統賞」を受賞。その研ぎ澄まされた一音が切り開く世界は日本の伝統音楽・西洋音楽といった古今東西のジャンルの壁を突き破り、普遍的で可能性に満ちた豊かな表現として世界中から注目を集めている。
2002年パリ公演、2010年上海万博公演、2012年マレーシア公演、2016年・2018年・2022年ロンドン公演、ほかアメリカ、ヨーロッパ各地と海外公演多数。
テレビ出演・NHK「紅白歌合戦」「うたコン」・テレビ朝日「題名のない音楽会」・BSテレ東「おんがく交差点」ほか。重要無形文化財総合指定保持者。